ワンコと暮らすのんびり毎日

脚本家を休業し、のんびり楽しく過ごすニートのエッセイです♪

別に!

田代まさしは、ものすごくシャイな方らしい。トレードマークのメガネは伊達メガネで、恥ずかしさを隠すために掛けていたのだという。昔、志村けんのバカ殿で、すごろくの罰ゲームでお酒を一気飲みするというのがあった。田代まさしは何度も飲まされて、それが子供心に無理に飲んでいるのが分かって切なかった。志村けんが、こっそりもう飲まなくていいとジェスチャーをしても、無理やり杯をあけていた。真面目な人なんだと思った。

ドラッグで何度も捕まる田代まさしの映像がテレビに映し出される度に、顔を歪めて酒を一気飲みする姿がよみがえってくる。辛かったんだろうな、と思う。私は仕事のプレッシャーでストレスをためてから、精神科の薬に頼るようになった。きつい、だるい、やる気がしない、という時に飲むと、前向きで元気が出る薬だ。即効性があった。常用した。やがて依存性があることが分かった。やめられなくなった。それが海外では(危険度は極めて低いが)ドラッグ指定されている薬だと知ったのは、必死の断薬をした後だった。

沢尻エリカが、MDMAの所持で有罪判決となり、世間の避難を浴びているが、そこまで避難されることなのかと思ってしまう。確かに芸能人というパブリックな職業でドラッグをやっていた事実は、許されることではないかもしれない。けれど、まだ世間というもを分かっていない十代の頃から第一線で頑張っていた女優だ。プレッシャーは半端なかっただろう。同じようなプレッシャーにさらされたことがない者が、人格を否定するほどの批判をするのは、おかしなことだと思えてならない。

辛かったね、と、私は言ってあげたい。立ち直ってからが、本当の人生だと思う。芸能界が合わなかったからもう戻らないというのなら、才能のある女性だから、新たな道が開けるだろうと思う。やはり自分には女優しか道がないとまた思えるのならば、戻ってきて欲しい。私は映画『パッチギ!』で魅せてくれた沢尻エリカの鮮烈な印象を、忘れることが出来ないでいる。